はじめまして。4月から入社した新米エンジニアの高橋です。
今回「AppBrewエンジニアのキーボード紹介」と題して、AppBrewのプロダクト開発を支える4人の先輩エンジニアに、愛用のキーボードと、自らのキーボードに対するこだわりについてインタビューを決行しました。
コードを書くことを生業とする百戦錬磨のエンジニアなら、その武器たるキーボードにも相当な思い入れがあるはず。
果たして彼らはどんな話を聞かせてくれるのでしょうか。
この記事ではそんなインタビューの内容とあわせて、AppBrewのオフィス内の模様もお楽しみいただければ幸いです。
1人目: ソフトウェアエンジニア anoworlさんのキーボード
このオフィスの片隅に
ある日の夜、社員の皆が一日の仕事に一息ついた頃。私はキーボードインタビューの旅に向かうため、自分のデスクを発った。
オフィスを入って右端の一番奥、巨大なモニターが何枚も摩天楼のようにそびえ立つ一角が最初の目的地。
奥に何かが潜んでいそうな気配を感じる。
この中に1人目のターゲット、anoworlさんがいるはずだ。しかしモニター群に囲まれて全く見えない。
恐るおそる近寄ると、そこには四色に整然と色分けされた2台のキーボードで、スコスコスコ、颯爽とコードを書くanoworlさんの姿が。
高橋(以降、高): 「これは何のキーボードですか?」
anoworl: 「これですね〜^^(…スコスコ)」
PFU Happy Hacking Keyboard Professional2 Type-S 英語配列/白 PD-KB400WS
- 出版社/メーカー: PFU
- 発売日: 2011/06/15
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お値段3万円なり。しかも、最初は自宅用に自費で購入したとのこと。
高: 「高いと思いませんでしたか?」
anoworl:「高いですが、ずっと使えるので^^」
なるほど。実際、今でもこうして現役で使えているわけだ。
キートップ色分けの秘密
高: 「あれ?色が違いますね」
anoworl:「別売りのキートップも買いました〜^^(…スコスコ)」
anoworlさんがこのキーボードを購入したのはAppBrewに入社する何年も前、2015年のこと。最初は1台だけ買って、黒いキートップもあわせて購入したらしい。
anoworl: 「黒くしてみたかったんですが、キーの印字が見えないのでやめました^^(…スコスコ)」
高: 「いつから2台使うようになったんですか?」
anoworl: 「2台使っている人を見たので^^」
これまたなるほど。事実、2台使うようにしてから肩がだいぶ楽になったそうだ。
高: 「色分けしているのは、左右の手で打つキーがそれぞれ分かるように、ですよね?」
anoworl: 「いえ、キートップが余ったのでww」
何と、このカラーリングにしてあるのは、完全に見た目がカッコイイからだった(笑)。実際、色分け通りにキーを打ち分けるわけではなく、黒鍵を打つ時もあるのだと。ハッタリ感…
高: 「今のキーボードは気に入っていますか?」
anoworl: 「はい、スコスコ感がイイですね^^(…スコスコ)」
静電容量式特有のタイピング感にすっかり虜になっているようだ。
プライベートでは銀軸使い
高: 「ちなみに、プライベートでは何のキーボードを使っていますか?」
anoworl: 「こちらです^^ 最初から二つに別れているタイプを買いました〜^^」
実はこのキーボードに使われているCherryのSilver軸は、私も使ったことがあり、非常にクセがある。
押し込みはじめてから反応するまでが非常に浅く、コンマ1秒を争うPCゲームで重宝する一方で、ちょっとかすっただけでもキーが反応してしまう厄介者でもある。
高: 「打ちにくくないですかこれ」
anoworl: 「いえ、私は速く打てるのがイイので〜^^」
憧れのキーボード
最後に使ってみたいキーボードを尋ねたところ、「今のに充分満足しているけれど、Frogpadを使えるようになったらイイな」との回答が。
(画像元: FrogPad - Wikipedia)
高: 「これの何がイイんですか?」
anoworl: 「いや、腰につけて打てるっていう」
いつか腰にFrogpadをつけて、立ったままリズミカルにタイピングをこなすanoworlさんに会える日がくるのかもしれない。タカタカターン。
2人目: ソフトウェアエンジニア Pinさんのキーボード
坐禅するプログラマー
実はanoworlさんのインタビュー中からずっと気になっていたのだが、話している私たちの隣には、頭の切れそうな青年が、スッと坐禅を組みながら全意識を目の前のPCに注ぎ込んでいた。
彼がPinさん。その名の通り背筋をPinと伸ばしている。
高: 「お、お話を伺ってもよろしいでしょうか?」
Pin: 「いいですよ(ニッコリ)」
そんなPinさんが操るキーボードはこれだ。
FILCO Majestouch MINILA Air US67キー 茶軸・かななし FFBT67M/EB
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禅の心を体現したかのような、黒く無骨な佇まいが印象に残る。
師匠直伝のキーボード
そしてちらっと彼のモニターに目をやると、Amazonの購入画面にこんな文字が。
−お客様は、2016/5/27にこの商品を注文しました。 −
高: 「3年前に買われたんですね」
Pin: 「そうですね、家用に。これは最近会社で買ってもらいました」
3年越しのリピーターだった。
高: 「どうしてこのキーボードがいいんですか?」
Pin: 「前職には学生アルバイトの頃からいたのですが、その時の憧れの先輩が使うキーボードがこれだったんです。形から入ろうかな、と」
高: 「師匠直伝のヤツなんですね」
やっぱり求道者っぽい。
Pin: 「最初は同じ製品の赤軸モデルを使っていたんですが、打鍵音が静かな茶軸に買い換えましたね。本当はピンク軸が一番静かだったんですが、無線モデルがなかったので…」
己の心を鎮めるのに静寂は欠かせないのだろう。
彼のレアな流派
Pin:「ところで、高橋さんもDvorak配列に入会しませんか? 今なら特製キーマップもプレゼントしますよ!」
高: 「‼︎」
この時初めて知ったのだが、Dvorak配列とは人間工学に基づいて設計された、Qwerty配列と異なるキーボード配列。中でもPinさんが操るのは日本語入力用にカスタマイズされたDvorakJPというものだ。メンドクサそう。
高: 「どうしてDvorak配列を使おうと思ったんですか?」
Pin: 「昔はあまりタイピングが早くなかったので…どうせ練習するなら良いやつを覚えようかなと」
向上心恐るべし。
そして既存のキーマップに代わり、Google日本語入力に対応した独自のDvorakJP用キーマッピングをコツコツと育ててきた。
こうして7年もの鍛錬を重ね、今では彼のタイピングは疾きこと風の如しである。
わびさびの精神
Pin: 「あと僕のキーボードで特徴的なことといえば、キートップが引っこ抜いてあることですかね」
確かに3箇所のキートップが取り払われ、茶色い軸が姿を覗かせている。
高: 「どのキーが無いんですか?」
Pin: 「Capslockキー、Appキー、Deleteキーですね」
高: 「えっ、Deleteキー無いんですか?」
Pin: 「Deleteキー要らなくないですか?何に使うんですか?(ニッコリ)」
高: 「⁈」
私は確信した。これは禅だ。
不要なものは極限まで削ぎ落とし、用の美を追求するのだ。(念のため補足すると、Backspaceキーは使うそうです)
無線キーボードにこだわる理由
最後に、他に欲しいキーボードが無いか尋ねてみた。
Pin: 「ピンク軸の無線モデルがあったら買いたいですね」
高: 「やっぱり無線にこだわるんですね」
Pin: 「有線キーボードは犬が首輪をつけられるみたいなので(ニッコリ)」
全ての有線キーボードユーザーを敵に回す発言。そして俗世からの束縛を嫌い、孤高の道を突き進む姿。やはりこの男、1人の禅行者なのであった。
3人目: プロダクトマネージャー Yuriさんのキーボード
例の前置き
高: 「インタビューよろしくお願いします!」
Yuri: 「私、あまりこだわりはないですけど…」
そう言ってインタビューに応じてくれたのは、AppBrewの共同創業者にしてプロダクトマネージャーのYuriさん。
この前置きを使うということは、やはり彼女もタダ者ではないだろう。
彼女が使うキーボードはこれだ。
PFU Happy Hacking Keyboard Professional BT 英語配列/墨 PD-KB600B
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関節痛がなくなりました!
高: 「何でこのキーボードなんですか?」
Yuri: 「Ryoさんから『これ買ったら手首も指も痛くなくなったよ!』って聞いて〜」
彼女は何より健康志向なのだ。そして気になるガジェットがあると色々買ってしまうという。
Ryoさんとは弊社のマーケティング担当で、Yuriさんと同じく健康マニア。最近は姿勢矯正ジムにはまっている。
そんな2人がHHKBに出会ったのは去年の春のことだ。
Yuri: 「私も指の関節の痛みに悩んでいたけど、気にならなくなりました! 昔からピアノをやっていて、慢性的に痛かったんですけど。」
高: 「下に『※あくまで個人の感想です』ってつくヤツですね」
肩こりが今の悩み
高: 「すごい! 良かったですね!」
Yuri: 「でも不満がないわけじゃなくて〜」
HHKBでHappyになった彼女にも、まだ悩みがあるという。
Yuri: 「これだと腕が狭くなって、肩がこるんです。だから左右分離タイプにも興味あります!」
ちなみにキーボードと同時にトラックボール付きのマウスも買ってみたが、しばらく使ってみて操作に慣れなかったのでお蔵入りだそうだ。
体にいいデバイスのすヽめ
高: 「そうなんですね…」
Yuri: 「あと〜、一緒にトラックパッドもおすすめです!自由にパッドを配置できると、肩こり予防に効きますよ!(実演しながら)」
高: 「はい…」
Yuri: 「健康にいいキーボード選びをしましょう!」
最後は僕の健康も気遣ってくれた。健康器具の販売みたい。
4人目: 社長 深澤のキーボード
ランナー現る
だいぶ夜も更けて、皆さん談笑したり、黙々とコードを書いたりしている。そこに激しい息づかいが聞こえてきた。
深澤: 「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
高: 「あっ、良いところに来た」
日課の皇居ランの途中で、忘れ物をしたみたい。
実は社長と私は中高時代の友人だ。物理部で一緒にプログラムを書いたりハードウェアを作ったりしていた。
高: 「キーボードについて教えて!」
Get Wild
深澤: 「えーと、19歳のときにMacBook Airを買って、5年くらいはそのままビルトインの使ってた」
深澤: 「ここ一年くらいはMagic Keyboardを2つセパってる」
いつも通りオタク特有の早口で喋ってくれる。
深澤: 「肩を巻き込まないようにね」
社長は社内でも一番の健康オタクかもしれない。そしてトレーニング好き。フィジカルにこだわるWild & Toughな男だ。
スタンディングデスクで華麗に2つのキーボードとトラックパッドを操る社長。
高: 「(小室哲哉みたい…)」
意外とこだわりがない?
社長は現役バリバリのエンジニアでもある。Githubのコミット(通称: 草)を絶やさないことをしょっちゅう自慢している。その割にはキーボードは至って普通だ。
高: 「メカニカルなやつにしようとは思わないの?」
深澤: 「いや? そんなにこだわりないから。ただ姿勢気にしてセパるっていう」
高: 「Mac標準ので打ちにくいとは思わない?」
深澤: 「別にそんなに打ちにくいと思わないし」
おかしい。コードをゴリゴリ書くわりにはこだわりがない。しかもオタクなのに。
その真相はすぐにわかった。
社長のキーボード観
高: 「社長にとってキーボードとは?」
深澤: 「人類の敗北じゃないの」
高: 「というと?(ポカーン)」
深澤: 「指使わないと入力できないなんて終わってる」
そう、社長はキーボードという道具自体を否定したのである。きっと彼にとってはキーボードなんてどうでもよくて、その目にはキーボードのない未来が映っているのだろう。
常人とは頭数個ぶん抜けた回答を残して、再びランニングへと大急ぎで走り去った。
ーーー
何はともあれ、こうして一通り面白そうなキーボードを使っている人にお話を聞くことができました。
さて、そろそろ私も退勤するとしましょうか。
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